こんにちは、D-QuestサポーターのTaka.Moriです。
基板の見積もりに必ずうたわれているのが基板のイニシャル費。見積もりの中でも比率が高いのでつい目が止まってしまいます。そもそもこのイニシャル費って一体なにかご存知ですか。

ここでいうイニシャル費とはイニシャルコストのこと。基板を製造するのに必要なコストになります。弊社のシミュレーションの場合でいうと、初期設定や準備にかかるコストがイニシャル費。

どんなものでも同じですが、それらを稼働させるまでにかかる費用を一般的にイニシャル費といわれるのです。

基板製造のイニシャルの内訳としては、「CAM編集費」「フィルム作成費」「シルク版作成費」「データ加工費」など。基板メーカーによっては「チェッカー費」や「ガーバー作成費」もこれらに含まれているところもありますね。

いずれも基板を製造するには絶対必要になるものだけに、イニシャル費がかかるのは当然の理由。

では、なぜこのイニシャル費が問題になるのでしょう。

実はこのイニシャル費が発生しない基板メーカーがあるからです。そのため、それらと比較されることで問題になるケースも…。

イニシャル費が発生しない?デメリットも!

イニシャル費が発生しない理由としては、複数の基板のフィルムをまとめて面付けしてしまうことでコストを分散できるから。もちろんNCデータやシルク版もその状態でつくるため分散が可能。
それにより、一つの製品にかかるイニシャル費を抑え、敢えてイニシャル表記はせずに基板単価で吸収してしまう仕組みになります。

基板単価だけで比べると高くなってしまうものの、ほかでは絶対必要なイニシャル費がストレートに発生しないため、トータルで見れば安くつくれるのです。

しかしそんな基板製作にもデメリットがあります。その答えは基板のリピート。

派手に面付けをしてるため、リピートを作る場合はほかの基板もつくらなければなりませんね。それでは基板メーカーのリスクが大きいため、基本的にはリピート対応不可というのが一般的。
基板をリピートしたい場合は、新たに新規で依頼をすることになるのです。もっともこうなるとリピートという概念さえありません。

リピート製造がなければメリットがあるものの、実装失敗やデバックの関係で再製作となった場合を考えると一長一短といえるでしょう。いつリピートがくるかわからない基板であれば選択の余地はありませんね。