こんにちは、D-QuestサポーターのTaka.Moriです。
基板設計を行うにあたり、知らなければならないのが基板製造工程ですね。基板製造の流れを知らなくては基板設計はできません。そこで基板製造工程の流れをわかりやすく説明いたします。

ワークサイズにカット

基板は基本的に1㎡「1020mm×1020mm」が定尺寸法になります。このサイズをベースにして基板メーカーでのワークサイズにカットします。また、少し大きめの「1220mm×1220mm」サイズもあり、このどちらか取り数のよい方をチョイスしワークサイズを決めていきます。
素材とワークサイズが決まったらそのサイズにカットする作業から基板製造がはじまります。

ドライフィルム貼り付け

カットした基板にドライフィルムを張り付けます。その後、露光させることでドライフィルムを基板に焼きつけます。そこで、感光された部分がパターンとして残る仕組みです。

エッチング

エッチング液で銅箔を剥離します。前工程でのドライフィルム貼り付けで感光された部分が残り、感光されなかった部分が除去されパターンを形成します。

積層プレス

必要に応じて内層外層をプレスします。真空環境でプレスを行うのが一般的。この組み合わせにより多種多様の積層が実現できます。

穴あけ

ガーバーデータと一緒に作成したドリルデータを元に、スルーホールやViaを形成するための穴あけ加工をおこないます。接続用の穴以外にも、取り付け用の穴などあらゆる加工を行います。

銅メッキ

穴あけ加工部のスルーホールやViaの内部に銅メッキを施します。これにより外層と内層の層間どうしの導通が可能になります。

ソルダレジスト印刷

エッチングで形成されたパターンをそのまま剥き出しにしてしまうと銅の酸化がはじまります。そのため部品を実装する部分などを残し、ソルダレジストインクをコートしソルダレジストを形成します。
部品のブリッジ防止や衝撃保護にも役立つとても重要な処理のひとつです。

シルク印刷

ソルダレジストのコーティングの上にシルク印刷を行います。シルク印刷は型名やメーカー名、部品番号や極性などを記載します。
一般的なシルク印刷の方法がスクリーン印刷。スクリーン版に開いた孔にシルクが塗布される仕組み。
孔の開け方やシルクの粘度がメーカーのノウハウになります。

外形ルーター加工

NCルーターにより、ワークから基板個片をカットします。基板個片の場合もあれば面付、捨て基板付きなど、実装を踏まえた形状にカットします。

チェッカー

フライングチェッカーや専用チェッカーを用いて導通検査をおこないます。ネット情報を元に実際の導通をチェックします。

基板洗浄

専用の溶剤を使い仕上がった基板の表面を洗浄します。各工程で汚れた基板を洗浄することで綺麗な基板に仕上がるのです。

基板の種類により工程はさまざま

現在基板にもいろいろな種類が存在します。片面基板もあれば12層基板も。インナービア基板もあればビルドアップ基板など。そのため基板の工程は各基板メーカーの考え方やノウハウで変わってくるものです。どの基板メーカーで製作するかを考えながら基板設計をするのも設計メーカーの腕の見せどころ。

D-Questでは、お客さまにご満足いただける基板製造メーカーと日々タイアップしていますので、多くのご要望にお応えいたします。基板製造に迷ったら、まずは弊社へご相談ください。