こんにちは、D-QuestサポーターのTaka.Moriです。
さて、ご覧いただいている方の中には設計者の方も多いと思います。モニターを埋め尽くされた真っ白なラッツでパニック真っ只中という人もいるのでは。そんなとき頭を過るのが自動配線ですよね。その存在を知っているだけについつい頼りたくなってしまうのは設計者の常というもの。
自動配線とは別名オートルーターともいわれ、本来人の手で行うべき配線を自動で行ってくれるというとても気の利いたツールになります。そう聞くと使わない理由はないと思われる人も多いと思いますが、やはり世の中そんなに甘くありません。ルーターにすべてをゆだねるならば多くの条件設定を細かく指定してあげなければならないからです。
そんな多くの条件を与えたにもかかわらず、その仕上がりに疑問が残ってしまうという人も多いはず。目的は達成してくれているものの、仕上がりを見るとただ繋げたという配線に気がつくのでは。
例えばバスラインの場合、同種類の信号線は束で考えると思います。しかし、ルーターの場合は線を繋ぐことを最優先に考えてしまうことから、線を引くという目的は達成しているものの、束配線でなかったりViaを跨いでいたりと修正不可能になることも少なくありません。それだけにすべての配線をルーターに任せるということはもう少し未来の話しなのかもしれませんね。
自動配線を賢く利用する
だからといって全く使えないわけではありませんよ。部分的に上手に条件を与えてあげることで配線を効率よくサポートしてくれるのです。とくに低周波のデジタル部などであればルーターを活用することを考えても良いのかもしれません。
使える部分と使ってはいけない部分をきちんと見極めることでとても効率的なツールとなるでしょう。効率を上げることでコスト削減に繋がることはいうまでもありませんね。
もっとも弊社にはそのような簡単な基板のご依頼が少ないのが現状ですが…。